自治体が企業を脱炭素で支援!

自治体が続々とゼロカーボンシティ宣言

温暖化対策法では都道府県および市町村に、温室効果ガス排出の削減に向けた計画査定と実行を求めています。
2050年のゼロカーボン達成に向け、2050年二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むことを表明した地方公共団体が増えつつあります。
自治体の中でもっとも早くゼロカーボンシティ宣言をしたのには山梨県で2009年3月でした。2022年11月末時点では804自治体がゼロカーボンを表明しています。
表明自治体の住民総人口は約1億1,933万人で、日本の総人口(1億2,550万人)のほとんどをカバーしていることになります。
さて、自治体として脱炭素にどう取り組むかは、つまりその地域に所在する企業や住民に対して脱炭素に向けた行動をどのように促すかの施策づくりとその実行にかかっています。

自治体による脱炭素支援の事例

政令指定都市の中で最も多くの温暖化ガスを排出する川崎市で、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向けた融資や補助金の利用が増えているそうです。
川崎市は補助金の支給を通じて事業者に脱炭素化への取り組みを促し、脱炭素化に取り組む事業者に市が経費の4分の1を上限に補助金を支給する「エコ化支援事業」の利用も順調に推移。
21年度は16件、1件あたり約60万円を補助し、22年度もすでに10件以上の申請があったそうです。製造業、不動産業、医療・福祉などの事業者が太陽光発電設備や蓄電池の導入、空調設備の更新に利用しているとのこと。
(2022年12月2日 日経新聞 神奈川版 「川崎市、脱炭素関連の融資・補助金利用が順調」)
このように「カーボンニュートラル宣言」をおこなっている自治体では、企業に対する補助や支援をおこなっているので、脱炭素に戦略的に取り組もうとしている中小企業者はぜひ地元の自治体の施策を調べてみるとよいでしょう。

投資対象としてのグリーンボンド(環境債)の魅力

東京都では、機関投資家と個人向けに“再生可能エネルギー事業や都市の緑化事業などの「環境事業」に要する資金を調達するために発行する債券”、いわゆるグリーンボンド(※)を2017年より毎年発行しています。令和3年度の東京グリーンボンド第5回債(外貨建)は発行額100億円相当、利率1.83%で即日完売。
令和4年度の東京グリーンボンド(5年物豪ドル建て)は2022年12月9日から売り出し開始しましたが、昨今の世界的な利回り上昇を受けて年利は3.63%と投資対象としても魅力的です。東京都のグリーンインフラ投資を対象としていることから、日本の脱炭素化応援と投資収益を同時に期待できることが人気の要因となっていることでしょう。

執筆者:M&A思考事務局

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