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生存戦略②M&Aを使った「差別化戦略」

経営戦略としてのM&A(8)生存戦略②M&Aを使った「差別化戦略」

ブランドを手に入れる

同業他社との競争に勝つために一番手っ取り早いのは、クライアントに認知された「ブランド」を手に入れることだ。ここで言う「ブランド」とは、「シャネル」や「プラダ」といった有名ブランドというわけではなく、自社がビジネスを展開している事業分野で顧客に支持を集めている会社や事業のことである。「あそこに頼めば大丈夫」「どうしても、あの製品じゃないと」という具合に、その会社や事業そのものが顧客の信頼を集めている場合、その会社や事業をM&Aで入手できれば、その時点で大きな差別化に繋がる。

少し昔になるが、中国のPCメーカーの「レノボ」が2004年にIBMからPC事業を譲り受け、同時にノートPCブランド「THINK PAD」を手に入れたニュースは大きな話題となった。世界戦略が不可避となっていたPC業界にあって、有名ブランドの有無は死活問題だが、「中国ナンバーワンPCメーカー」レノボは、このM&Aにより一躍世界のトップメーカーの一員となったのだ。

特定分野で地盤を持っている会社を狙う

派遣業界や運送業界のように、その事業を行う場合に特定の許認可を要する事業分野においては、その事業分野特有の価値基準が存在する。例えば建設業の場合、過去の工事実績が公共工事への入札資格に反映されるため、会社そのものの歴史や工事実績が会社の価値評価の基準になることがある。貸金業の場合は、番号が古い方が長く事業を継続していることの証左となるため、古い許認可番号を有していることが会社の信用力となっている。

このように自社単独では実績が少ない、または社会的信用力が不十分なため事業を拡大できない場合、業歴が長い会社や事業実績が豊富な会社をM&Aすることで、時間をかけなければ得られなかった価値を獲得することができるのだ。新規事業に進出する際にも、長い期間事業を続けなければ得られない資格が手に入るので、「時間を買う」という点においても極めて有効な戦略と言えるだろう。

ノウハウを手に入れる

ブランドや資格、許認可といった目に見える価値での差別化のほか、その企業独自のノウハウを手に入れるという目的でもM&Aは有効だ。例えば、自社だけでは開発できなかったような製品の開発ノウハウや技術者を獲得するために、会社や事業を丸ごと買収してしまう方法がある。韓国企業や中国企業が、日本企業の事業部門をM&Aすることでノウハウを手に入れたという話はよく聞くが、中小企業でも同様にノウハウを手に入れ、事業の差別化を図るためにいM&Aを活用するのは有効な戦略だ。

ただし、実際にM&Aを検討する際に、そのノウハウが企業のどの部分に存在しているのかは十分精査する必要がある。以前、某メーカーのM&Aを手掛けた際、お目当てのノウハウはその会社に全く存在せず、ほとんどすべてが外注先の下請け業者に依存していたという事例があった。結局、その案件自体が見送りとなったので事なきを得たが、先入観や思い込みには十分に注意してほしい。

 

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