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経営戦略としてのM&A

(3)攻めのM&Aで事業を成長させる

M&Aと一言でいっても、その活用法次第で、戦うための「剣(=攻めのM&A)」にもなるし、会社を守るための「盾(=守りのM&A)」にもなる。今回は、剣としてのM&A活用法について紹介したい。

 

事業を成長させるための“攻めの戦略”として、M&Aを活用する場合、同業他社の取り込みや人材確保、自社にない顧客網の開拓など、さまざまなケースが考えられる。

特に、同業他社のM&Aは、これまで培ったノウハウやネットワーク、社内人材などすべてが活用できるため、自社の既存ビジネスを拡大するための手段として相乗効果(シナジー)が出やすく、極めて有効な手段と言える。

 

一方、上流業種や下流業種への進出を狙ったM&Aには、注意が必要である。例えば、商社が製造業に進出するケースをよく見かけるが、実際には失敗していることも多い。

商社がメーカーを買収した場合を例にあげる。通常、商社は取り扱い口銭(マージン)で利益を得るのだが、仕入先であるメーカーを取り込めば、その分の利益も自社に取り込むことができる。いわゆる「バリューチェーン(価値連鎖)」の下流が、上流を取り込む形のM&Aだが、その結果、商社からメーカー経験のない管理職を送り込んでしまうと、モノ作りの現場と十分な統合効果が得られず、結果的に当初目論んでいた収益に結びつかなったり、経営がうまくいかずに再度手放す、というケースもあるようだ。

 

同業への展開ではなく、自社の属する業種から見た上流業種や下流業種へのM&Aを仕掛ていく場合は、シナジーを十分に検討した上で実行すべきであり、「餅は餅屋」ということを肝に銘じつつ、統合効果を得るために相応の時間を要することを念頭に置いておく必要があるのだ。

 

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