
環境配慮ビルは高収益?
『不動産の環境認証の取得状況および経済価値の調査』(三井住友信託銀行グループ 2022年7月発表)によれば、建物の環境性能を評価で最高ランクの認証を取得したビルは、認証取得前に比べて賃料が約5%高くなるとのこと。
東京都心にある大規模オフィスビルを対象とした調査で、新しくて大きなビルほど認証取得に積極的。
企業が入居ビルを選ぶ際に、環境性能も重視するようになったことが背景にあるようです
ESGがビジネスにどう影響するのか?なかなか見えづらいですが、不動産業界においては徐々にESGとビジネスがつながり始めた模様です。
ESGの取り組みから企業価値を予測する仕組みが登場!
世界のコンサル大手、アクセンチュアが、企業のESG施策が企業価値に与える影響を分析し予測するAIツールの提供を開始。
CO2の削減や生物多様性に配慮した活動など環境への取り組み、女性活躍推進や働き方改革などの人的資本の取り組みなどを“見える化”して、さらに企業価値向上に貢献するESG施策を予測・提案してくれるそうです。
上場企業のデータに基づいた仕組みなので、中小企業の企業価値向上にいますぐ役立つものではなさそうですが、ESGとビジネスをつなげるサービスも登場し始めました。
みせかけだけのESG対応(ウォッシュ)は許されない?
ESGファイナンスが急拡大する中、ESGに積極的な企業に投資するESG投信の売れ行きが好調なようです。
一方で、“名ばかりESG投信”、つまり内容が伴っていないファンドもあるようで、「みせかけだけのESG対応(ウォッシュ)」を防ぐことが世界的な課題となっているそうです。
金融庁は、「資産運用業高度化プログレスレポート2022」(2022年5月公表)を通して、「ESG推進の専門部署を持たない運用会社が3割あり、体制整備が不十分」と厳しく指摘しています。
実際に日本でも2022年に入ってESG投信の新規設定が急減しているそうですが、中身のない投資商品をうっかり購入しないよう我々も知識武装が必要なのでしょう。
