2018/08/06

M&A成功のポイント⑤大切なのは「アフターM&A」(前篇)

▶譲渡手続きが終わったもトラブルは起こる

M&Aの手続き自体は、 譲渡が終わって譲渡対価の支払いが終われば完了である。 M&Aアドバイザーの仕事も「譲渡が完了するまで」が請負期間なので、 譲渡が終わってしまうと基本的に案件に関わることはなくなる。 しかし、実際には譲渡が完了した後にも 色々なトラブルは発生するのである。 例えば、事業譲渡の場合、 「何月何日の何時」をもって事業を切り分けるのだが、 当然その日時までに口座の切り替えが間に合わない取引先も発生するため、 売上代金の一部が前の会社に入金されたり、 譲渡後の会社に請求が来たりという事態が発生する。 このような入金や支払のミスは双方で事後生産すれば済むのだが、 もっと深刻なのは譲渡後に得意先や仕入先との関係が途切れて、 明らかに売上高(受注金額)が減少したりするケースである。 酷いケースでは、半年後に譲渡時点で譲り受けた得意先の 半数が取引を辞めてしまったという話もある。 こうなると、買収会社としては「話しが違うではないか」という風に クレームをつけてきたり、裁判になってしまうこともある。 こういったトラブルを回避するためには、 事前にこのようなトラブルが発生することを予測してスキームを策定するか、 ある程度得意先が減少するリスクを覚悟の上で 譲渡を実行するかのどちらかしかない。 社員や従業員などの人的つながりによる取引が多い中小企業では、 M&A後に得意先や仕入先との関係が悪化して、 事業運営に影響を及ぼす事態も考えられるので、 社長には一定期間顧問や会長という肩書で 円滑な引き継をサポートしてもらう方が望ましい。 また、M&Aのスキームについても、 事業譲渡よりも、得意先や仕入先との関係が継続できる 株式譲渡の方が比較的安全と言える。
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