2018/05/08

M&Aの実行手順⑫クロージング・前篇

DD前と後ではどれだけ違う?

多くの場合、DDを実施した会計事務所や弁護士事務所から、DD実施後一週間程度で「調査報告書」の形でまとめた報告書と関連資料が届けられる。 この報告書について、調査担当者から買収会社に対してDDの報告がなされるのだが、中小企業のM&Aの場合、「何も見つけられませんでした」ということはほとんどなく、むしろ、ボコボコと粗が出てくることが多い。 以前紹介した「不良資産が数億円あった」というケースは、実はまだいい方で、「株券を担保にしてお金を借りていた」「○○銀行からの融資は実はノンバンク(サラ金)からだった」「売上高の20%が架空売り上げだった」などという酷いケースもある。 あまりに酷い場合は買収そのものが見送りとなるが、そうならない場合でも、DD実施前と後では、企業価値(買収金額)が下がってしまうのがほとんどだ。 回収不能な売掛金や不良在庫、不動産や有価証券の評価損など、明らかな減価要因がある場合はやむを得ないが、会計DDについては、税務上の解釈や会計上の評価を保守的に(固め)にすることも減価要因となることがある。 例えば、ある売掛金を6か月間回収できない状況であった場合、譲渡会社が「分割で回収できる見込みです」と答えているのに対し、DD担当者に「これは回収の見込みなしです」と判断されてしまうと、その分が減価されてしまうのだ。 DDの結果、不動産や有価証券の含み益があって、その分が加算されるケースもあるが、やはり減価されることも多いため、結果的に買収金額も下がることが多い。
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