2018/04/05

M&Aの実行手順⑦条件交渉・前篇

よくある条件交渉のポイント

中小企業のM&Aに携わっていると、譲渡側のオーナーから様々な希望や条件が出てくるのだが、その多くはお金や自身の待遇に関するもので、中には「そんな条件飲めるか!」というトンチンカンな条件もあり、思わず笑ってしまうこともある。 しかし、譲渡するオーナーにすれば、その後の人生に関わる大切な話なので真剣になるのは当たり前なので、できる限り双方の立場を理解しつつ、納得いく条件でまとまるように努力していくのが重要である。 以下、よくある条件交渉のポイントについて、いくつか触れていきたい。 ①譲渡価格 当たり前だが一番重要な条件。 それぞれの立場で希望金額を算定するが、往々にして譲渡側の提示額は高い。長年赤字続きで債務超過なのに「この会社の価値は利益ではなくブランド力だ」と言ってウン億円を上回るような価格を提示してくる時もある。 そんなに価値があるなら売らなきゃいいのに、と思うので「ご自身ならその金額で買いますか?」と聞いてみると、ほぼ全員「買いません」という答えが返ってくる。不思議である。 中小企業のM&Aの場合は、以前ご説明した通り、他ではほとんど純資産をベースに交渉がスタートし、そこに営業権(のれん)を上乗せする手法が多い。双方が依拠する企業価値算定方法で算定した金額を比較して、あまりにもかい離が激しい場合は、その段階で検討見送りになることもあるが、多くの場合はどちらかが折れて妥協点を探ることになる。 さて、双方が対立した場合どちらが強いかというと、最近の事例では、やはり買収側の「減額」指摘が通ることが多い。 中小企業のM&Aの場合、買収監査(後述)の結果、回収不能の売掛金や不良在庫など、資産を減算する要素が見つかることが多いためだ。それでもしっかりした収益を上げていて、買収側にとって魅力的な事業であれば減額分を取り戻すほどの金額で交渉が妥結することもある。 ②社長の退職金
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