2018/03/01

M&Aの実行手順②情報入手後の流れと秘密保持

情報入手と秘密保持契約

M&Aアドバイザーや銀行などの外部機関に依頼して、目的に見合った会社や事業の「売却情報」を入手したら、最初に「企業概要書」(「案件情報」や「企業情報」など、会社によって名称はさまざま)と呼ばれる資料を提示されることが多い。 この「企業概要書」には、会社の所在地域や業種、過去の業績や会社の特徴、売却の理由や条件、といった内容が記されているため必要最小限の情報開示を目的としており、社名はもちろん、会社を特定できるような情報は記載されていない。 この開示情報を参考にして、案件として進めるために追加の情報要求や質問をして、ある程度進められる見込みがありそうなら、漸く対象企業の詳しい情報を提出するよう要請することになる。 これらのM&A情報は企業の命運を左右するほどの重大情報であるため、具体的な会社名や内容を第三者に開示(「ネームクリア」という)するのは非常に大きなリスクを伴う。 そこで、このような会社の重大情報を開示する場合、情報開示社と情報受領者間で、開示情報の秘密保持を目的に「秘密保持契約書」を締結する(通常は「NDA=Non-Disclosure Agreement」または、「CA=Confidential Agreement」という略称で呼ばれることが多い)。 この契約は「この情報は秘密情報なので、我々以外の第三者に無断で情報を開示して相手が損害を被ったら賠償します」という内容なので、情報を誰かに漏らして損害が発生しない限り、契約をしたからと言って何かしらの費用が発生するという種類のものではないが、双方が「守秘義務」を順守する体制を整える(精神的に縛りを入れる)という意味で極めて重要である。

入手情報のチェックポイント

M&Aを実行する場合に必要となる資料は進行段階により徐々に増えるが、検討段階でそろえる必要があるものは概ね次の資料と考えておいてよい。 ①商業登記簿(法務局で入手できる。現在の状況が記載してある「現在事項証明書」と、過去の役員や増資の履歴まで記載してある「履歴事項全部証明書」がある。M&Aの場合は後者が必要) ②定款(会社の憲法といえるもの。変更している場合、最新のものが必要) ③過去3期分の税務申告書(決算書だけでなく、決算書の各科目内訳がわかる付属明細も必要となる) ④会社案内(事業内容や特徴が記してあるので、会社を理解するのに役立つ。最近はホームページでも代用可) ⑤試算表(直近の決算書から日数が経っている場合、現状の財務状況を把握できる資料が必要) ⑥株主名簿(株式譲渡の場合、過半数を得られるかどうかチェックする必要がある)
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