経営戦略としてM&Aを活用する

2020/01/29

M&A

M&Aは中小企業の生存戦略のひとつ

外敵に襲われたトカゲが尻尾を切り落として逃げる、昆虫や小動物が保護色を使って身を守る。サバンナの動物たちが肉食動物から襲われた時や子育ての際の協力し合えるように群れ作って行動する。これらは動物たちが生態系の中で生き残っていくための生き残り策=生存戦略だ。
この動物たちの生存戦略は、実は経営戦略を構築する上で非常に参考になる点が多い。
では、中小企業が生き残っていくためには、いったいどんな戦略があるのだろうか。

まず、大企業の下請け加工業であれば、主力先からの注文減少リスクを回避するための「新規顧客開拓」や、大手が参入しづらく且つ競合が少ない「(ニッチな)新規事業への進出」が考えられる。
また、将来的に単独での事業継続が難しいと判断されるなら「同業他社との経営統合」や「大手との資本提携」、「事業の売却」という選択肢もある。
このように、中小企業が生き残るには、攻めの戦略や守りの戦略を自社の環境変化に応じて、適宜フレキシブルに活用していく必要がある。
小さな環境変化にも影響を受けやすいというリスクもあるが、大企業では決断や実行までに時間がかかってしまうことが、中小企業ならスパッと決めて実行できる。
この環境適応能力こそが「中小企業の生存戦略」といえるのではないだろうか。

こういった自社を取り巻く環境変化に対応するためには、常に最適な戦略を構築する必要があり、M&Aは攻めの戦略にも守りの戦略にも応用できる有効なツールだ。
事業を拡大するためにも、ピンチの際に会社を守るためにも、M&Aの手法を知っているとさまざまな形で戦略的な活用が可能なのである。
ある日突然、窮地に陥るような事態が起きても対応可能な「生存戦略」を構築するためにも、ぜひ、M&Aという有効な「剣と盾」の使い方を理解し、活用して頂きたい。

ここまで、M&Aの基本知識として、
①小さな会社でも利用可能
②「自分には関係ない」と思わない
③新規事業の立ち上げ、海外進出、優秀な人材の確保に活用できる
④自社の既存事業の拡大に有効(攻めの戦略)
⑤会社がピンチの時には「救済型M&A」(守りの戦略)
⑥従業員でも実行可能(部門の買収等)
⑦ファンドとの組み合わせでMBO(EBO)や事業救済にも活用可能

といった内容を説明してきた。一口にM&Aといっても、企業の経営戦略上の目的や活用方法から見てみると、非常に多岐にわたった効果が期待できることがご理解いただけたと思う。

会社の経営戦略としてM&Aを実行するには

M&Aは会社を取り巻く環境変化に対応するための「生存戦略」のひとつ
M&Aは会社を取り巻く環境変化に対応するための「生存戦略」のひとつ

ここまでを読んで、自身でもM&Aを活用してみようと思われた方は、次に「何を目的としてM&Aを活用するのか」について考えてほしい。
事業拡大や新規事業への進出、収益があがっていない事業の売却や部門の独立など、さまざまな目的が考えられるが、なによりも重要なのは「M&Aは有効なツールであるが目的ではない」ということである。
いまだに「うまくいっているビジネスを買えば、そのまま儲かるのでは」という考えが根強いが、このようにM&A(買収)自体が目的化すると、事業を育てようという意識が働きづらくなり、会社そのものが元気を失ってしまう。
上場企業の株式を買う場合は別だが、中小企業の場合は、オーナーや社長が変わるだけで会社そのものがガラッと変わってしまう可能性もあるため、M&Aによって事業が急速に拡大することもあるが、もちろんその逆の場合もあり、果てには倒産してしまうことも起こりうるのだ。

繰り返しになるが、M&Aは会社を取り巻く環境変化に対応するための「生存戦略」のひとつだ。そこで忘れてはいけないのが、
■M&Aである必要があるのか。そのメリット・デメリットは
■M&Aを利用する場合、目的の達成に有効なのか
■M&A以外で課題解決をする方法はないのか
という点だ。
そのほかの戦略と比較し、達成すべき目的に対してM&Aが本当に見合った手段であるかどうかを十分に検討することが非常に重要である。

情報収集と情報管理が大切

M&Aの仕組みや手順など、ある程度の情報についてなら関連した書籍やウェブのサービスで集めることが可能だ。
さらに知りたい情報があれば、経営者仲間や信頼できる専門家(税理士や弁護士など)に相談するのも一案だが、会社を買収したいという話ならともかく、会社や事業を売却したいといった内容の場合、細心の注意を払うように心がけてほしい。
債権者や金融機関、そして従業員に知れると、大変な事態に発展しかねないのだ。

以前、このような相談があった。
社長が急死したため、社長の奥さんが急遽、新社長に就任したが、事業がうまくいかなかったため取引先に売却を打診したところ、その情報が社員に漏れて大騒ぎとなり、取引先にも情報が伝わって事業継続にも支障を来たす事態となった。
とりあえず、売却自体を一旦断念して自体収束を目指したが、会社の姿勢に不信感を持った社員の流出が止まらず、結局、事業清算に至ったのである。
弊社が関わった時点では、すでに騒動に発展していたため打つ手はなかったが、情報管理を慎重にして、内々にM&Aを進めていれば、会社も事業も継続でき、従業員にとっても良い形で事業承継ができたかもしれないと思うと残念でならない。
情報収集や相談相手としては、前述のとおり懇意にしている専門家等が考えられるが、M&Aについては、やはり専門的な知識や経験、売買情報を持っている弊社のようなM&Aアドバイザーに相談するのが一番安心で一番の近道になると自負している。

M&Aアドバイザー、M&A支援とは

M&Aアドバイザリー業務(M&A支援)
中小企業におけるM&Aアドバイザリー業務(M&A支援)とは

ここで改めて弊社のメイン事業であるM&Aアドバイザー、M&A支援について説明させていただきたい。
M&Aアドバイザーとは、読んで字のごとく、常日頃からM&Aに関するあらゆる情報を収集し、会社や事業の売買アドバイスを行うM&Aの専門家のことである。
このM&Aアドバイザーを擁して行うサービスを「M&Aアドバイザリー業務(M&A支援)」と呼び、古くは証券会社が投資銀行業務の一部として手掛けていた。次第にM&Aアドバイザリー業務を専業で行う会社が登場していき、証券会社が取り扱わないような中小規模案件を手掛ける弊社のような中小企業専門の業者も増えていった。
証券会社や銀行、大手M&Aアドバイザリー会社は、ある程度の規模以上(通常は譲渡額で数億円以上、手数料数千万円以上)の案件以外にはあまり積極的に関与しないため、中小企業経営者が相談をする相手としては、我々のような中小企業専門のM&Aアドバイザーをお勧めしたい。
良いアドバイザーの選び方や具体的利用法については後述するとして、相談をするM&Aアドバイザーを決めたら、まず会社の概要(規模、事業内容)とM&Aの目的、そして「このような条件で進めたい」という希望を伝える。その情報からM&Aを実行したほうが良いとアドバイザーが判断した場合に、具体的な進め方や手順の等の説明、手続きを経て、いよいよM&A実行への第一歩を踏み出すことになる。
なお、情報を開示する際、社外への情報開示が経営上のリスクをはらむ場合は、M&Aアドバイザーとの間で「秘密保持契約書」を締結しておくことをお忘れなく。

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