関西電力が宮城県に風力発電を計画するが、地元は反発

6月8日の河北新報の記事によると、関西電力が宮城県川崎町に計画する陸上風力発電事業を巡り、地元の一部に反対しているそうです。
川崎町は宮城県南西部、蔵王連峰のふもとに位置しています。
関西電力は、同町西部の前川地区にある私有林1600haに、最大で高さ180m(約50階のタワーマンション並の高さ)
・直径160mの風力発電を23機建設する計画し、これに対して地域住民の一部が、大規模開発による環境や景観への影響を懸念し、計画に反対。
そもそも関西の電力事業者が宮城県蔵王エリアで開発する、という点に反発感情もありそうですが、自然に優しいはずの再エネが地域との共生に課題を抱えています。
グローバルシェア上位のメーカーが軒並み赤字に

気になったニュースは、好調に見える風力発電業界が苦しんでいるという事実。
脱炭素の加速を背景にグローバル規模で風力発電の市場が伸びているように見えますが、
世界トップランキング5位のシーメンスガメサ(スペイン)がリニューアブルエナジーが22年第1四半期に3.7億ユーロの赤字となり、親会社のシーメンスエナジーが救済するとのこと。
このほか、世界トップシェアのべスタス(デンマーク)やGEリニューアブルエナジーも同四半期で巨額の赤字となっているそうです。
受注は好調なものの、インフレやウクライナ紛争などで原価や輸送費が上昇し、また価格競争も激しいというのが原因にあるようです。
日本のメーカーが風力発電からほぼ撤退しているなかで、風力発電産業の未来に懸念を抱かざるを得ません。
再エネを経済成長の土台にする中国が積極支援

世界風力会議(GWEC)が2022年4月に発行したGLOBAL WIND REPORT 2022によると、
2021年の世界の新設量は93.6GWにのぼりました。そのうちの約51%が中国によるものです。
中国では再エネを経済成長の柱にしていることを背景に、洋上風力発電の伸びも著しく、
国を挙げて固定買取価格制度を含めた積極的な支援をおこなっています。
日本もこれから洋上風力発電を積極的に導入する計画で、
国内の風力発電産業を育成する方針ですが、
中国メーカーに国内市場を席捲されないよう積極的に支援をすべきと思います。
