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生存戦略①M&Aで「ニッチ集中化」を狙う

経営戦略としてのM&A(7)生存戦略①M&Aで「ニッチ集中化」を狙う

本業とのシナジーを狙う

以前、「儲かっているから」という理由だけで、本業とは関係ない事業をM&Aするケースが結構あったが、リーマンショック後は本業以外の余計な事業に時間をさけなくなり、結果的に売却したり損失覚悟で廃業してしまうなどの事例が多発した。

中小企業の限られた経営資源を有効活用するには、本業とのシナジーを念頭に置いたM&Aが最も安全であり、効果も出やすい。異業種同士では人材交流もできないし、それぞれのノウハウを共有して活用するのも難しいためだ。

自社とシナジーがあれば、M&Aにより自社の人材とノウハウを有効活用できるため、より一層ニッチ市場集中化戦略が活きてくる。ある電子系素材メーカーが、隣接業種である顔料メーカーをM&Aしたケースでは、その顔料メーカーが競合他社の少ないニッチ市場に集中していたため、M&A後に親会社の人材と経営ノウハウを投入した結果、なんと単体売上がM&A前の2倍になったという。ニッチ分野への進出に上手にM&Aを活用した好例と言えるだろう。

本業と違う分野への進出を狙う

一方、本業が行き詰っている、または将来性に乏しいという場合は、当然、新規事業分野への進出を検討すべきだが、自社とのシナジーのある隣接異業種ではなく、場合によっては、まったく違う分野への進出という選択肢もあり得る。いわゆる「新市場への新商品(新サービス)投入=多角化」だが、これは本業と直接的関連性の薄い分野へ進出することで、本業が先細った際に会社を支えてくれる可能性があるという点で大きな意味を持つ。どんな事業でも数年から数十年で波が来るものだが、その波の「山と谷」がうまく組み合わさってどん底にならないような事業の組み合わせ(事業ポートフォリオ)を狙えるからだ。

自動車業界のように非常に大規模なサプライチェーンの中で複数に事業をやっていると、万一業界全体が沈み込んだ場合、会社存亡の危機に陥る可能性があるが、例えば医療分野や小売り分野、または海外での別事業展開などへ進出していれば、本業が落ち込んだ際にも会社を救ってくれる。この時に留意すべきは、本業が厳しい時に、さらにお荷物を背負い込むことにならないように、できる限りニッチ分野に集中した会社や事業を選択することだ。

以前、機械関連の商社がカジュアルウェアメーカーをM&Aするお手伝いをしたことがあるが、同社はその成功をてこにその後も同業種の買収を行って成功を収めていた。本業と違う分野への多角化という点では、うまくいった事例である。

海外への進出を狙う

内需の停滞が長引く中で、中小企業の海外展開も、より活発化している。従前は安い労働力を求めて発展途上国へ進出する例が多かったが、最近では海外の成長市場を目指して自社製品を輸出したり、現地需要を見越して生産設備を創るケースもある。

現時点ではあまり実績は多くないが、これからは需要の伸びを背景として、中小企業による海外企業のM&Aや出資が増加していく可能性がある。チャイナリスクを背景に、インドネシアやミャンマー、カンボジア、ベトナムといったアセアン諸国への投資は増加傾向にあり、それに伴う消費市場の拡大も見込まれるため、中小企業のビジネスチャンスも拡大している。本業を生かしたビジネス展開や、日本ブランド製品に輸出、更には異業種でもリスクの限定的なスモールビジネスなど、色々なビジネスが考えられるが、現地で事業を始めるきっかけがないという場合には、現地企業をM&A(出資)して事業を始める方法もある。

 

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