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M&Aを活用した中小企業の生存戦略 – 経営戦略としてのM&A(6)

M&Aは手段であり、目的では無い

中小企業が生き残っていくためには、いったいどんな戦略があるのだろうか。

まず、大企業の下請け加工業であれば、主力先からの注文減少リスクを回避するための「新規顧客開拓」や、大手が参入しづらく且つ競合が少ない「(ニッチな)新規事業への進出」が考えられる。また、将来的に単独での事業継続が難しいと判断されるなら「同業他社との経営統合」や「大手との資本提携」、「事業の売却」という選択肢もある。

このように、中小企業が生き残るには、攻めの戦略や守りの戦略を自社の環境変化に応じて、適宜フレキシブルに活用していく必要がある。また、大企業では決断や実行までに時間がかかってしまうことが、中小企業ならスパッと決めて実行できる。この環境適応能力こそが、中小企業の生存戦略といえるのではないだろうか。

こういった自社を取り巻く環境変化に対応するためには、常に最適な戦略を構築する必要があり、M&Aは攻めの戦略にも守りの戦略にも応用できる有効なツールだ。事業を拡大するためにも、ピンチの際に会社を守るためにも、M&Aの手法を知っているとさまざまな形で戦略的な活用が可能なのである。ある日突然、窮地に陥るような事態が起きても対応可能な「生存戦略」を構築するためにも、ぜひ、M&Aという有効な「剣と盾」の使い方を理解し、活用して頂きたい。

目的と手段を混同しないこと

さて、実際にM&Aを戦略として実行する場合、重要なのが「何を目的としてM&Aを使うのか」である。

事業拡大や新規事業への進出、収益があがっていない事業の売却や部門の独立など、さまざまな目的が考えられるが、あくまでもM&Aは「有効なツールであるが目的ではない」という点に注意が必要だ。

繰り返しになるが、M&Aは会社を取り巻く環境変化に対応するための「生存戦略」のひとつである。会社の経営戦略を実行していく上で、他の選択肢と比較し、「M&Aである必要があるのか。そのメリット・デメリットは」「M&Aを利用する場合、目的の達成に有効なのか」「M&A以外で課題解決をする方法はないのか」など、M&Aが達成すべき目的に対して、見合った手段であるかどうかを、実行を決定する前に十分な検討が必要である。

 

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