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経営戦略としてのM&A

(5)社員が会社をM&Aする(MBO・EBO)―ファンドの活用

MBOとは、マネジメント・バイアウトの略で、マネージャー(部門長)が会社や事業を買い取るM&Aのことを指す。その一形態として、従業員によるM&AをEBO(エンプロイー・バイアウト)といい、中小企業のM&Aでもたまに活用される手法である。

このEBOとは、従業員が会社や事業部門を買収することなので、理屈で言えば一般のサラリーマンが自分の所属する部署を分離・独立してEBOを実行することは可能だ。だが実際は、会社(取締役会や株主総会)の同意が必要なのはもちろん、赤字を垂れ流して大変な部署ならともかく、収益を出している部署を買い取るにはそれなりの資金力や信用力が必要になるため、給与所得者が独自に資金を調達してEBOを実行するというのは現実的ではない

しかし、その会社や事業が魅力的でかなりの収益が見込め、且つ会社が売却に同意している場合、お金の出し手が存在する

いわゆる投資ファンドである。特にEBOやMBOへ投資するファンドは「MBOファンド」と呼ばれており、自己資金がわずかでも、数億円から数十億円の資金提供を得ることが可能となる。

この資金を得てからが、実際には大変な作業となる。当然だが、MBOファンドもお金を出す以上、収益を得なければならないわけで、収益が上がっている事業であれば、配当や利息の形で利回りを上回るように資金回収を要求してくる。さらに、通常ファンドは「償還期間」が決められており、およそ5年から7年で元金を回収する。つまり、多額の資金を出してもらっても、ファンドの償還期間内に全額返済(株式の場合は買取)、または新たな資金の出し手を見つける必要があるのだ。

 

資金を出してもらえるからと言って、EBOやMBOを簡単に進められるわけではない。しかしながら、会社や事業の生き残り戦略にファンドが活用できるということは、是非覚えておいて頂きたい。

 

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